高齢者のみなさんに気をつけてもらいたい”冬の病気”

2017/01/04

朝晩が冷え込むようになり、これから寒さが厳しくなる季節となりました。特に今年の冬は寒いとの予想も出ているようです。冬の健康管理について、これ医者の方に気を付けていただきたいことをいくつかご紹介したいと思います。

インフルエンザ

インフルエンザはインフルエンザウイルスによる感染症で、高熱やのどの痛み、頭痛、関節痛などの全身症状が現れます。通常は約1~2週間で自然治癒しますが、ご高齢の方では重症化し入院が必要となったり、場合によっては死に至ることもあります。重症化を防ぐためにも予防接種を受けましょう。予防接種に対して自治体によっては助成制度がある場合もあります。詳しくはお住まいの地域の健康センター等に問い合わせてみてください。
インフルエンザの感染予防には通常の風邪と同じように、うがい・手洗いが効果的です。外出後のうがい・手洗いを習慣づけましょう。また免疫力を高めるため、バランスのとれた食事と十分な休養もこころがけましょう。流行期には人ごみを避けたり、マスクを着用することも大切です。

感染症を予防するには

◎こまめなうがい・手洗いを
◎マスクを着用しましょう
◎規則正しい生活で免疫力を高めましょう
◎インフルエンザワクチン接種をお早めに

心筋梗塞

心筋梗塞は、心臓を動かす筋肉に血液を送っている冠動脈という血管が詰まってしまい、十分な血液を送ることができずに心臓の筋肉が壊死してしまう病気です。この心筋梗塞が冬に起きやすい原因としては急激な温度変化があります。暖房のきいた暖かい部屋から屋外や廊下・トイレ・脱衣所など寒いところへ移動すると、急激な温度変化のために欠陥が収縮し血圧が上がって心臓の病気を引き起こす原因になります。このようなことを避けるために、気温の低い朝の外出はなるべく避けてください。また外出の際にはしっかり防寒をして急激な体温の低下を防ぎましょう。
また脱衣所や浴室を暖かくして温度差をなくすような工夫も大事です。

ノロウイルス

ノロウイルスは冬季に流行し感染性胃腸炎を起こします。カキやアサリなどの食品や感染した人の糞便や嘔吐物などから感染し、下痢や嘔吐などの症状が現れます。ノロウイルスも高齢の方が感染すると重症化し、下痢・嘔吐によって脱水を起こすことがあるので予防を心がけましょう。貝類は必ず火を通してから食べてください。
また調理の前、食事の前、トイレのあとは必ず手洗いをしましょう。

そのほかの生活上の注意

年末年始はお酒を飲む機会も多くなります。飲みすぎにより転倒し、骨折や頭部打撲などの重大なけがにつながることもあります。お酒の飲みすぎには十分注意しましょう。
また、お正月などお餅を食べる機会があると思います、高齢者の方は噛む力や物を飲み込む力が弱くなるため、窒息事故を起こしやすくなっています。特にお餅はのどにひっつきやすく窒息事故を起こしやすい食品です。お餅を食べる際は小さく切ってよく噛んでから食べましょう。

(宮崎生協病院研修医 大野由香子)