睡眠時無呼吸症候群( SAS)をご存じですか?

2017/09/27

「いびきは体の危険信号」
宮崎生協病院では、睡眠時無呼吸症候群の検査を行っています。

宮崎生協病院検査科主任
柳田崇至

みなさん、いい眠りをしているでしょうか。次に挙げるような症状で、お悩みではありませんか?
①大きないびきをかく②居眠り運転をしそうになる③日中いつも眠い④夜間の呼吸停止⑤夜中に何度も目が覚める⑥起床時の頭痛やだるさ。もしこの様な症状があれば、睡眠時無呼吸症候群かもしれません。

〈睡眠時無呼吸症候群とは〉
寝ているときに何度も呼吸が止まり、大きないびきを繰り返す病気です。睡眠中の無呼吸にご本人はなかなか気付きませんが、こうなると社会生活の質が低下し、仕事や勉強に集中できないばかりか、ひどい場合には交通事故をおこすケースもあります。また、放っておくと高血圧や心血管病などのリスクが高まると言われています。

〈睡眠時無呼吸症候群とメタボの関係〉
メタボリックシンドロームと睡眠時無呼吸症候群に、関連性があることが指摘されています。睡眠時無呼吸症候群の患者さんの多くは肥満を伴っており、男性の約50%、女性の約30% がメタボリックシンドロームを合併していると言われています。メタボリックシンドロームは「肥満」「糖尿病」「高血圧」「高脂血症」の危険因子が集積する病態であり、死の四重奏と呼ばれていましたが、現在は「睡眠時無呼吸症候群」を加え、死の五重奏と呼ばれています。しかし、睡眠時無呼吸症候群を治療することで「四重奏」を軽減できたり、予防することもできます。適切な検査を行い、ご本人にあった治療を行うことが大切です。それほど睡眠時無呼吸症候群は、生命に関係している疾患です。

〈検査内容〉
簡易検査と、精密検査の2つに分かれます。
①簡易検査(アプノモニター)
センサーを取り付け、自宅で寝るだけの簡単な検査です。眠っている時の呼吸状態と、血液中の酸素量がわかります。
②精密検査(PSG検査)
睡眠の状態や呼吸の状態などを総合的に調べるため、病院に一泊入院して頂きます。脳波や心電図、血液中の酸素量などを測定するために、センサー類を体に取り付けて行います。この検査には痛みは無く、いつもと同じように眠っていただけます。

〈ニュース〉
PSG検査機器が、2017年5月より新しくなりました。据え置き型から無線型になり、患者
さんの動きが制限されず、トイレへ行く際の看護師呼び出しが不要になりました。以前の機器に比べて、負担が少なくなっています。症状のある方は、この機会に検査を行ってみてはどうでしょうか。