高齢者の社会的孤立をなくし医療・介護の充実を「社会保障は国の責任で」

2016/03/23

高齢化社会に私たちはどう向き合っていくのか。自分や家族の問題として、地域の問題として、また医療生協として何ができるか考えてみましょう。

多くの高齢者は年金が頼り

高齢者の年金支給額は、生活保護基準と同程度もしくはそれ以下です。年金が低すぎることで無年金者も多くいます。貯蓄を崩しながらの生活も限度があります。多くの高齢者は年金が頼りであるのに年金はここ3 年間で2.5%下げられています。
加齢によって病気が増えるのはごく自然なことです。高齢者は医療費の負担と介護の負担が重くのしかかり、「我慢して治療しない」「介護サービスを使わない・利用を控える」人がでてきます。結局、手遅れ死亡や介護の重症化と介護殺人等の悲しい結末につながるのです。

社会保障制度の充実は不可欠です

国は、2016 年度から社会保障費を毎年5000 億円以内に抑制することを決めました。そのため、診療報酬のマイナス改定や様々な改悪と負担増を計画しています。しかし、高齢者が安心して住み続けるために医療・介護・年金などの社会保障制度の充実は不可欠です。国が進めようとしている自己負担の引き上げや、保険の範囲を狭め自費サービスを増やすやり方は本来の社会保障を変質させ、生存権の後退につながります。

医療生協とともに地域の輪をつくりましょう

私たち医療生協は、困ってもSOSを発信できない人に対し孤立を招かないような活動も地域の様々な団体とともに行っていくことが求められます。医療生協の地域包括ケアの考え方を町内会や老人会等で広げる活動とともに医療・介護の改善(社会保障は国の責任で)を一緒に考え取り組める地域の輪をつくりましょう。

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宮崎医療生協 理事 仁田脇弘文(宮崎県民主医療機関連合会事務局長)