2020年「秋の医療生協強化月間」に向けて

2020/10/14

宮崎医療生協の日髙理事長が組合員さんへ呼びかけ
宮崎医療生協は、10月から始まる月間に向けて、理事長が組合員さんに語るDVDを制作しました。このDVDは、すべての支部で視聴することができ、宮崎医療生協のホームページで動画配信もしています。次のように呼びかけられました。
医療生協の日髙です。今年に入って広がった新型コロナウイルス感染は、一時期落ち着いた様にみえましたが、緊急事態宣言解除後さらに勢いを増して広がっています。宮崎医療生協の職員、組合員さんの皆さん、このように長きにわたってのこの感染症への奮闘、新しい生活の継続の中で本当にありがとうございます。
これから先に求められるものは
感染の広がりは、わたしたちの生活に於いて、3密の防止、移動・事業の自粛が強いられ、周りの人との交流も減り、一人ひとりがバラバラになる環境が出てきて、生活が困難な状況になってきています。
また、医療・介護の現場では「効率化」を要求され、診療・介護報酬削減で、ギリギリまで患者さんを受け入れないと維持できない環境が作られています。この中で受診や利用の差し控えが広がり、医療・介護事業所も大打撃を受けています。「無駄を削れ」と減らされた保健所が、日々の業務を何とかこなしていたところ、PCR検査を一手に押しつけられ、公衆衛生の崩壊も現れました。学校一斉休校での損失も多かったのではないでしょうか。
この環境の変化を受け、これから先は、「人間らしく生きる」、「教育を受ける」、そして「働く権利を守る」新しい社会が本当に求められていると感じています。歴史を規定する大きな要因は、生命の生産と再生産です。コロナが浮き彫りにしたのは、人間そのものの生産と資本的利潤追求との矛盾が際立ったこと。人々の生きやすい環境を作ることがいかに大切かが、認識できるきっかけとなったと考えています。
私たちの理念を実現するために
今年の強化月間は、新型コロナ感染症の第3波とともにインフルエンザの流行も危惧されています。コロナと共存する社会の中でどのように組合員さん活動を継続・発展させるのか、私たちは歴史に試されているようです。①「集い」「見守り」「助け合う」活動の機能の中でサロンや健康づくり教室など気軽に立ち寄れる居場所づくり、②多彩な班会や組合員さんの訪問活動を安心して行える方法、③コロナで困難を抱える事業所の医療・介護・経営を守るためには何をすればいいかなど、課題はたくさんあります。
経済成長ばかりを求めようとしている今の時代において、人と人との交流が分断され、地域の支え合いが縮小する中、今回のコロナ感染の広がりは、人と人との接触をさらに減らす環境が今は出てきています。そして、地域の交流が途絶え、閉じこもりの生活を強いられ、健康や生活に対しての不安をお持ちな方がさらに増えてきているだろうと考えています。感染予
防に注意して「気になる利用者さん、組合員さん、地域の方々」の訪問を開始しましょう。困っている方が増えていると思います。支え合い、寄り添う人を求めていると思います。人権のアンテナを高くしましょう。
しかし、一人では対応は困難です。地域の福祉の力をつけるためにも、より多くの組合員さんと連携を深め、まちづくりを推進しましょう。支部とともに事業所でも私たちのこの理念を実現する仲間たちを増やしていきましょう。
そして、無料低額診療をおこなっている医療生協の事業所を紹介してください。「まず診る」「支援する」そして「何とかする」事業所の地域での存在意義を改めて考えてみましょう。
医療生協の事業をさらに大きく
今年は、人権を守る事、人の命と健康、暮らしを第一に考える事の大切さを改めて実感しました。そして、今ほど政治の在り方が問われる時はありません。地域のネットワークを大切にしながら、国や自治体に公的責任を求める声を上げる事も大切だと思います。今回のコロナ禍で、「公共」という言葉の重要性が改めて浮かび上がりました。希望をもって生きるための新しい連帯も広がりました。「一人ひとりの関係性」「つながる力」を改めて見つめ直しましょう。そして、多くの組合員さんと職員の力で、宮崎医療生協の事業を大きく前進させ「いつまでも住み続けられる宮崎」づくりを推進しましょう。