夏の参議院選挙で安倍政治に「NO」の審判を

2016/03/09

2015年9月19日、安倍政権は国民多数の反対を無視し、国会でまともな議論を避け安全保障関連法(戦争法)を強行採決しました。この法律は、日本が海外で戦争するための法律です。政府と防衛省は、日米新ガイドライン実践のために戦争法で可能となった準備と訓練を着実にすすめており、自衛隊が海外で武力行使する可能性は高く、切迫したものとなってきました。いま日本は、戦後一貫して守り続けてきた平和主義の危機にあり、戦後最大の岐路に立っています。
安倍政権は2013年12月の特定秘密保護法強行に続き、2014年7月1日、閣議決定で集団的自衛権についての憲法解釈を変更し、行使を容認しました。一内閣が憲法解釈を勝手に変更するのは、法治国家としての日本の土台をくつがえす暴挙です。
これに対し、全国の弁護士会や多くの学者、これまで政治に無関心と言われてきた学生や女性たちも次々と立ち上がり、戦争法反対の表明や行動を起こす大きな流れを作り出しました。これらの動きの中で戦争法反対、立憲主義守れの一致点で五野党も国民運動に合流、そして戦争法成立後も国民の行動は止まらず、平和と民主主義を求める国民の声が政党を動かし、戦争法廃止、立憲主義を取り戻す国民運動が展開されました。
戦争法を廃止するため、「戦争させない・憲法九条壊すな!総がかり行動実行委員会」が提起した国会あての請願署名行動に医療生協も加わり、2016年5月3日の憲法記念日に向け〝全国2000万人統一署名〞に取り組んでいます。戦争法の廃止を求める2000万人統一署名を必ずやり遂げ、夏の参議院選挙で安倍独裁政治の暴走に、主権者として〝NO〞の審判を下し、戦争法廃止、立憲主義を取り戻す議員を多数にし、戦争法を廃止し、世界に誇る平和憲法を守りましょう。
憲法の解釈を変更する「解釈改憲」にとどまらず、憲法の条文そのものを変更する「明文改憲」に向けて意欲を示している安倍政権のもとで、憲法に「緊急事態条項」を盛り込む動きがでています。これはまさに「戒厳令」、「独裁国家」そのものであり、憲法九条改定に向けた突破口で、首相の権限強化や国民の権利制限を狙った恐ろしいものです。
自民党の「改憲草案」には、「内閣総理大臣は、日本の有事・内乱など社会秩序の混乱、大規模自然災害の際に、緊急事態の宣言ができ、法律と同一の効力を有する政令を制定することができ、地方自治体への指示や基本的人権の制限ができる」と述べられています。日本国憲法と絶対に両立しえない戦争法の強行は、明文改憲への衝動をさらに強め、極めて危険です。戦争法廃止のたたかいとともに、安倍政権によるあらゆる明文改憲の企てを許さないたたかいを強めましょう。

(組織部 田中裕人)

*解釈改憲とは、憲法の明文(規定)を改正することなく、憲法の解釈をその文言と論理からは不可能なまでゆがめることによって、明文改憲が行われたと同様の状態を解釈の名においてつくり出し、憲法とは本来両立しない政治を正当化しようとする政治のしかた