「だれらも知ない」〜みやざき子ど もの貧困〜の取材を通して

2016/10/12

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医療生協では、患者を生きる権利の主体者として人権を守る視点から捉えることが重要であると考えています。憲法について知り、命・健康・生活にとっての憲法の存在意義は何かを考え、医療者として自分たちに出来ること、学び考えることを目標に宮崎医療生協の奨学生とともに学習を重ねてきました。 その一つとして宮崎日日新聞社で「みやざき〜子どもの貧困」の連載記事の取材をされていた吉元まゆみさん(編集局整理部)に講師をお願いし、8月7日に学習会を行いました。奨学生や職員、組合員さん36名が参加しました。 講演では、宮崎の貧困の現状(宮崎県の子どもの貧困の現状は全国ワースト6位、背景として産業の脆弱さ、離婚率の高さが考えられる)や貧困の世代間連鎖(貧困家庭で育った子どもが十分な教育を受けられず、大人になっても貧困に陥ってしまう)、また医療現場でおきていること(飛び込み出産・健診の未受診・治療・予防接種へのためらい、悪化後の受診)など取材を通してみえた現実を語られました。 参加者から、「私が想像していた以上に子どもの貧困は深刻だったというのが正直な感想」「あたりまえの考えだけに頼らず、その人の背景にあるのは何かを視ることで貧困に対して深く関わることができると感じた。うっすらの気付きを見逃さず自分から遠ざけるのではなく踏み込むことが大切で、皆でサポートしていくことが必要だ」「貧困に気づくためには自分から地域に関わっていくことがまず必要だ」「今、自分にできることとして友達や周りの人に子どもの貧困について学んだことを伝え合っていくことが大事だと感じた。より多くの人が貧困について知ることが大切だと思った」などの感想が寄せられました。    (宮崎生協病院師長室 松本朋美)